あったかい食事。
核家族では、
少しの食事を作るのは割高だ。
少しだけ炊いた飯はあまり美味くはないし、
食材も余り気味。
だから「中食」が重宝される。
もし近所に香港の屋台みたいなのがあったなら、
私は是非利用したい。
屋台の食器も屋台のおっちゃんも、
お世辞にも清潔とは言えなかったけれど、
大腸菌よりも私の胃散の方が勝ってたみたいだし、
安い食材でも、
作りたてのものはやっぱり美味しい。
そうそう、
ザルで運ばれて来る仕出し弁当のおかずは、
いつも虫だらけの野菜炒めのお皿があったっけ。
職場のみんなは誰一人としてそれに文句を言う人はなく、
疑問にも思わず、
車座になってご飯を食べたっけね。
今思うと、あの頃の中国は、農薬使用もまだほどほどだったのかもしれないなぁ。
食事は、
大量調理した方が効率が良い。
けれど、大量生産したものには抵抗がある。
それは、工場で作られているからだ。
チンしたものはイマイチだし、
それに、栄養も少ないそうだ。
ある栄養士の本によると、
料理には、調理した人の愛が入っているそうだ。
料理には、調理した人の、小さな小さな細胞が入っていて、それが食べた人の力になるのだと言う。
酵素の本にも似たようなことが書いてある。食材に、人の細胞が入ることで酵素になり、それを食べた人の免疫力を上げるのだと言う。
糠床が混ぜる人で味が変わるのは、なるほど、そういうことだったのか。
愛情の隠し味とか、お袋の味とかいうものは、
作り手の、目に見えない程の小さな、小さな身体の一部だったのか。