魔女の宅急便のパン屋さん。
・ 前のお話し「錦織3回戦進出」
セルフ・サービス…
self-serviceは(流通用語辞典)によると、
「流通革命をもたらした経営手法の一概念。そもそもの始まりは1930年8月、ニューヨーク州ジャマイカにはじめてスーパーマーケットを開店させたキング・カレンの発想といわれている。
商品陳列を顧客が商品に自由に手を伸ばすことができるように開放陳列(オープン・ディスプレイ)にし、商品と顧客が直接対面し、販売員がその間に介在しない非対面販売方式をいう。
(中略)
対面販売にかかる人件費を削減し、その節約分を売価に反映し、低価格で商品を販売する方式として考案された。」
ということです。
なるほど。
ということは、「魔女の宅急便」に出て来るパン屋さんは流通革命以前、ということでしょうか。
昭和42年生の私が子どもの頃は、お菓子屋さん、薬屋さんなど、町のお店はほぼ対面販売(お客が商品を自由に触れない)でした。もちろん、パン屋さんも。
商品はちょっとおすましして、みんな揃って店主と同じ方向を向いて、整然と陳列されていました。
例外なのは荒物屋さん。
私はあそこへ行くのが好きでした。
お客はお店の奥へ中へと入って行くことが出来るのです。
商品は所狭しと立体的に置かれていて、
ひしゃくなんかは天井から大きなぶどうの房みたいにたわわに吊り下がってたりなんかして、
ジャングルを探検するみたい、ちょっと不思議な空間でした。
それでも買い物をする時は、
お店の人を呼んで、商品を取ってもらっていた様に思います。
お店の大事な品物は、こちらも勝手に手を触れない、
お店の人は、買って下さる大事なお客には品出しさせない(働かせない)、
それは現在の「買う」という行為というよりは、
品物を「分けてもらう」という感覚で、物々交換に近かった様に思います。
つづく
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