敵と枕とヨイショと侮蔑。
世の中には敵と枕しか居ないような人がいる。
同寮の男はみんな敵で、
寄ってくる女はみんなセックスの対象としか見ていない。
正しく言うと、その人だってそれ程セックスしたいって思ってる訳じゃない、
ただ、
寝ないと落ち着かないんだろう。
こういう人と信頼関係を築くのは難しい。
いや、セックス為しに築くのは難しい、というか多分不可能だろう。
尤も、セックスした後だって、難しいんだけどね。
同じ様な人で、
常に褒めてないと落ち着かない、という人がいる。
こういう人には“普通の態度”が通じ無い。
過剰にちやほやしてないと落ち着かなくて、
ちょっとでもそれを怠ると、
こいつは俺をバカにしてる、
なんて誤解してしまう。
そうやって、怒っている内はまだ良いけれど、
それでも相手の態度が変わらないと、
今度は酷く落ち込んで、大変な事になったりする。
似たような人で、こんな人も居る。
いつも誰かを批判したり、小馬鹿にして、
自分には品があって、センスが良いと常に匂わせている。
というか、必要以上にアピールしている。
わざとそうしてるのか、
無意識にそうなっちゃってるのか、
わからないけれど、
つまりは相手を見下しているのだ。
こういう人の中にも、
常に褒めてないと落ち着かない人がいて、
それが叶わないと、
引きこもったり誰かを恨んだり鬱になったりしてしまう。
これらの人達は、
みんな私が、実際に会って来た人達だけど、
全員、私の中にも居る人達だ。
私は、私の中に、
鼻持ちならないインテリぶった慇懃なオッサンを飼っている。
私が、
女で、
童顔で、
チビだから、
ある程度容赦してもらってる、
ってことがあるんだろう、
って思ってる。